『私たちがやったこと』


先日、ディズニーランドに行ってきました。ナイトメア好き(ホーンテッドマンションが期間限定でナイトメア仕様になっていたんですね)の連れのたっての希望と、無料のチケットがあったので。私はそれほどテーマパークに興味がない人間なので、15年ぶりぐらいでしょうか。ちなみにシーも行ったことないです。


のんびり昼食を取って、15時ぐらいに入場したんですが


「うーん……(ちゃちい…)」


というのが正直な感想。そりゃあ小学生や中学生の頃に行ったことを思えばそういうものかもしれない。古くなっているなぁとも感じたし。それでもこの程度に抑えているということは相応のお金と手間をかけているということなのでしょう。


アトラクションはそれほど乗らず(乗れず)。クリスマスシーズンなのでパレードをいくつか見たのですが、予想以上に楽しんでしまいました。


結局閉園間際まで遊んで、くたくたになって京葉線に乗って、どうしてか連れに今読んでいる本を見せる気になりました。


女性作家の短編集で、表題作は一方が目をつぶし、一方が耳の中を焼くことでお互いに充足した関係を作り出そうとする一組の話です。


目の見えないものには新聞を読み上げてやり、耳が聞こえないものには電話に出てやる。そうして誰にも邪魔されない二人だけの世界を築き上げます。


日本文学好きの相手は読んだことがないと思ったのですが、「ああ、それ読んだことあるよ」と。続けてこう言いました。


「完璧な関係を求めてはいけないよね」


その日十分に楽しい時間を過ごしたと思っていた私はうろたえました。


二人は周到に準備を重ねて少しづつ外に出て行くものの、次第に関係は変化していきます。


そもそも不完全な人間はゆらいでいる世界で均衡をとることが安定なのでしょう。けれども、あの後もゆっくりと混じりあう色や重なっていく音を繰り返し心の中で再生してみずにはいられないのです。


私たちがやったこと

私たちがやったこと