気になる部分とねにもつタイプ

裏五輪



というのは私のことでは(多分)なくて、こういう本を読んだという読書メモです。一昨年ぐらいに話題になったらしいエッセイであります。


著者はアーヴィングなどの現代アメリカ文学の翻訳をしている方で、『ねにもつタイプ』のあとがきで「けっして私本人がいろいろなことを根にもつタイプの人間というわけではない。たぶん。」と書いているけれども、ありふれたことから創作まで自由に行き来する様を読むと子どもの頃からの想像癖を今に至るまで大事に運んできた人という印象を受けます。「コアラの鼻。材質は何でできているのだろう。」だとか「ちいさいちいさい、マイ富士が欲しい」など、そのすっ飛びぶりにこちらも戸惑ったり笑わされたりと愉快なエッセイでした。サントリーの宣伝部に勤務していた頃の話も面白かったです。


画像は「裏五輪」(『ねにもつタイプ』所収)の挿絵。著者はオリンピックが嫌いで、やるならメダルは廃止して1位どんぐり2位にぼし3位セミの抜け殻とかにする、とのこと。にぼしよりどんぐりの方が上という序列が素敵。


ねにもつタイプ

ねにもつタイプ

気になる部分 (白水uブックス)

気になる部分 (白水uブックス)