『キスなんてだいきらい』
靴を左右履き違えたり、服を前後反対に着ることが多い子どもでした。
姉は注意されるとすぐに直したというから、そういうところに全く無頓着な性格なのでしょう。それは長く続いて、中学生や高校生の頃も襟が内側に入っているなんてことがよくありました。気づいた母がよく直してくれたのですが、声などかけず無遠慮に引っ張ったりするものだから、反抗期と相まってその手を殆ど憎んだことすらあったような気がします。そういう時期のことを図らずして思い出させてくれたのがトミー・ウンゲラーの『キスなんてだいきらい』です。
- 作者: トミー・ウンゲラー,矢川澄子
- 出版社/メーカー: 文化出版局
- 発売日: 1974/03/20
- メディア: 大型本
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主人公のパイパー・ポーは母親に何かにつけてキスをされるのが嫌で嫌でたまらない男の子。ある日喧嘩でこしらえた怪我を母親に見つかってしまい、心配のあまりキスぜめにした彼女を路上で罵ってしまいます。二人はちゃんと仲直りをするのだけれど、それまでパイパーをベタベタと猫かわいがりしていた母親の変化が見物です。その他父親やタクシーの運転手など、大人が大人らしく振る舞っているところもよかった。
でも、それだけに昔の自分が親にどんな口を利いたかが…親不孝者には胸が痛い絵本です。