『友だちの家はどこ?』


(少しネタバレがあるかも)
言わずと知れたキアロスタミ監督のイラン映画です。
話は友だちのノートを間違って持って帰ってしまった少年がノートを返しにいく、というだけのもの。


何はおいても、子どもたちがいいです。
友だちを悲しませてしまう、友だちを失ってしまう…
そういう不安がいっぱいに押し寄せてこぼれそうな、つややかな黒い瞳につい吸い寄せられました。
主人公だけではなく、どの子も可愛らしい。皆よく働くしね。


その一方、周囲の大人たちは相当理不尽に見えます。
子どもをとにかく押さえ込もうとする教師、何はなくとも4日に1度は殴るというお祖父さん、主人公が切実にうったえても(もっとも主人公も筋道立てて話せないのでジリジリするところではあります)てんで耳を貸さないお母さん、それなりの理由はあるのですが、イランの人の考え方はちょっと私の理解の範疇を超えるかもしれない…と思ったところで帰ってきた少年を一言も叱らず迎え入れていました。むむう…。


それにしても最後のあざやかさ、可憐さよ!完成度の高さを見せつけられました。



友だちのうちはどこ? [DVD]

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